むしろ嫌いになっていた時期もありました。最 後の全国大会ではベスト8まで進みましたが、 国内ランキングは下位。何をどう努力すれば強 くなれるのか分からず、周りとの差を痛感する 日々でした。それでも「インターハイ優勝」と いう目標だけは心の中にありました。 高校進学後は、とにかくその差を縮めるた めに時間のすべてをフェンシングに費やしま した。オフの日はクラブチームで練習し、昼 休みや学校行事の合間にも練習を重ねました。 少しずつ自信が芽生え、高校1年生でイン ターハイベスト16、国内ランキング9位にま で上げることができました。高校2年生では ベスト8。初戦から一本勝負が続き、ベスト 8の試合では脚が攣ってしまい、悔しさを強 く感じました。そのとき「来年こそは必ず優 勝する」と決意しました。それから生活習慣 やトレーニング内容を一から見直し、姉、ク ラブコーチ、顧問の萩原先生に支えられなが ら、一年間練習を重ねました。 迎えたラストインターハイ。予選から自分 の試合をできている感覚がありましたが、思 うように展開を作れず3勝2敗に終わりまし た。緊張のせいか脱水症状で頭痛もありまし たが、水分を摂りながら次に備えました。トー ナメントでは徐々に調子を取り戻し、ベスト 16で小学生の頃からのライバルと対戦しまし た。これまで一度も勝てなかった相手でした が、萩原先生と作戦を立て直し、「悔いなく やり切ろう」と覚悟を決めました。集中力が 研ぎ澄まされ、5点差を逆転。2点差をつけ て勝ち切ることができました。この試合が大 きな自信につながりました。その後の試合も 落ち着いて臨むことができ、決勝まで勝ち進 みました。脱水の影響で脚の攣りは続き、準 決勝では立つことすら難しい状態でメディカ ルタイムを取りました。棄権を勧められまし たが、「最後まで戦う」と決めてコートに立 ちました。決勝戦では序盤から思うように動 けず、相手に3点差をつけられました。脚の 痛みをこらえながら、先生と作戦を練り直し、 「絶対に勝つ」という思いだけを胸に最終セッ トに挑みました。集中力が極限まで高まり、 相手の動きを読み切って同点に追いつきます。 延長戦では自分の信じる動きを貫き、最後の 一本を突きました。自分のランプが光った瞬 間、ようやくすべてが報われたと感じました。 表彰台に立ったとき、今までにない感情が こみ上げてきました。同時に、今フェンシン グができている環境への感謝の気持ちが溢れ ました。今回の優勝は、先生方、仲間、そし て家族の支えがあってこそ成し遂げられたも のです。苦しいときも支えてくれた人たちの 存在があったからこそ、ここまで頑張ること ができました。次の目標は、国内ランキング 上位3位に入り、アジア大会・世界大会に出 場することです。最終的にはオリンピックで 優勝し、その姿で多くの人に感動と勇気を与 えられる選手になることを目指して、これか らも努力を続けていきます。 -203-
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